日ハムファンの野球狂

日本ハムを中心に野球について書いていきたいと思います。

ある選手の話 その1

 2008年、夏の甲子園で今は亡き駒大岩見沢がベスト16まで進んだ。この年の春の甲子園にも駒大岩見沢は出場していたので、北海道では一番強い高校と言えるであろうチームではあったが、北北海道の代表がベスト16というのは、なかなかない出来事である。次にあたったのは、智弁和歌山。言わずと知れた名門高校。千鳥の漫才のネタにも使われているくらい知名度抜群。そんな名門との試合は、中盤まで互角の展開。それどころか3-2でリード。わからないもんだなと。しかし、1イニングで現巨人の坂口に2打席連続ホームランというすごい記録を打ち立てられて大敗。そんな試合の中で、私が目を奪われたのは、坂口でもなければ、応援していた駒大岩見沢の選手でもない、名門で1年生ながら9番サードで出場していた背番号18の選手だった。

 

 そういえば、夏の甲子園が始まる前に読んだ本に載っていたことを思い出した。その本には、ほんの小さく、一文しか載っていなかったが、印象に残る強烈な文章だった。春の大会で4試合連続ホームラン。普通に二度見しました。二度見というか二度読みしました。そのことは覚えていたんですけど、大会が始まってからはそんなに注目していませんでした。それが駒大岩見沢戦を見たことによって、一気につながりました。これがあの選手かと。

 

 駒大岩見沢戦は、そこまで大活躍はしていませんでした。ただ、4試合連続ホームランからイメージしていた選手像とは違いました。三遊間寄りのショートゴロをものすごいスピードで駆け抜け内野安打に。ものすごい速さ。明らかにパワーヒッターではない。興味が出た。どんな選手なんだ。

 

 常葉菊川戦もその選手はスタメンだった。第1打席、右ピッチャーの投じたインコース低めのスライダーを完ぺきにとらえ、ライトスタンドへ。結果はファール。すごい当たりだった。あの難しいコースをいとも簡単に。4試合連続ホームランの片りんを見た。この試合は、その選手の独壇場だった。セーフティを決め、センターオーバーの三塁打を放って反撃の口火を切れば、さらに満塁から左サイドハンドのスライダーをヘッドを残して左中間へ三塁打。私は釘づけだった。こうなりたいと。

 

 それからというもの、その選手の打席を集めた動画をひたすら見まくり、打ち方を真似した。あのトップを作るときの手首を柔らかく使う感じとか、足の上げ方とか。自分もああなりたいと。私が中学、高校時代に最も魅了された選手の一人であるのは間違いない。

 

 長くなってしまった。しかし、まだ書き足りない。いつか続きを書きたいと思います。ここに書いたことは、当時の記憶に頼っているものなので、間違っているところもあるかもしれません。お許しください。では、また次の機会に。