日ハムファンの野球狂

日本ハムを中心に野球について書いていきたいと思います。

谷口雄也の問題点

 高卒6年目の24歳を迎えるシーズン。プロ野球選手としては、そろそろ大きな成績を残し、レギュラーを勝ち得たいところである。そんなタイミングで、この男に最高のチャンスがやってきた。

 

 今シーズン、谷口の評価はそこまで高いものではなかった。キャンプでも期待されていたのは、岡大海や高卒2年目の浅間大基であった。そんな中、谷口は実戦で左投手を打てないという弱点を露呈し、それを気にするがあまり、右投手に対するバッティングも小さくなりがちのように見えた。アピール不足とも取れる状態の中、まさかのチャンスが訪れる。岡と浅間がそろって怪我で離脱することになり、外野手が不足しだしたのである。

 

 開幕戦のスタメンライトを守っていたのは谷口だった。その後もライトのスタメンとして、4月8日までに7試合スタメンで出場した。しかし、大谷がDHで入る場合は、近藤がライトとなるのでスタメンを外れるという立ち位置でもあった。

 

 そんな状況でも、さらに谷口にチャンスがやってくる。センターの陽が試合中に怪我をしてしまうのである。これで、また外野の枠が一つ空いた。現在は右投手の場合、全試合スタメンのような状態が続いている。

 

 しかし、結果は出ていない。守備の面では、好プレーも見られるし、無難といった感じだが、肝心の打撃のほうでは、全く目立っていない。低打率で長打もなく、63打席でフォアボールも1つしかないので出塁率も悪い。そのような悪い状態になっている原因を1つだけ指摘することができる。それは、カウントである。

 

 谷口は、多くの打席で早く追い込まれてしまっている。見逃していることもあるが、手を出しに行ってもファールになることが多い。甘い球を1球で仕留めることが出来ていないのである。そのファールも、前に飛ばそうとして振っているとは思えないほど弱いスイング。どういうバッティングをしたいのか。どの球に絞って打席に立っているのか。全く見えない。ただ中途半端にバットを振って、カウントを悪くして言っているだけのように見える。

 

 走塁でもミスが目立つ。キャッチャーからの送球でアウトになったり、セーフティスクイズで飛び出してしまったり。ここ最近の試合を見ていて、谷口はたぶん感覚派なのではないかと思う。あまり深く考えて野球をしていない。1塁ランナーのときも、帰塁がファーストに近いほうのベースの角に向かって帰っている。これではファーストがタッチしやすくなるではないか。こういう細かいところも行き届いていないところを見ると、野球を感覚でやっているような気がする。

 

 でも、それは伸び代でもあると思う。そういうところを一つ一つ考えてやっていけば、身体能力は高い選手なんだから結果も出るはずだ。

 

 あともう一つ谷口に言いたいことは、ほかの選手にない武器を持ってほしいということである。今のようなミートバッティングでは、同じ左打ち外野手で同期の西川には到底かなわないだろう。スピードも西川のほうが数段上だ。浅間もヒットを打つ能力、走塁は、1年目だった昨年の状況を見ても、伸び代などを含めたら、きっと勝てない。ならば、長打力を磨いてみてはどうだろう。昨年の前田健太から打ったホームランを見ても、長打力はあるだろう。2割5分でも25本ホームランを打つような日本ハムにはいない左の長距離打者になってほしい。

 

 冒頭にも述べたように、今年で6年目。今の日本の野球を考えれば、左打ちの外野手など掃いて捨てるほどいるだろう。もっといい新人が入ってくるともわからない。同期には西川、下を見ても浅間。日本ハムだけでも、強大な左打ち外野手のライバルが存在する。そんな中で、自分がどうすれば他との違いを見出せるのか。どうすればチームのためになるのか、そういう気持ちを持って、チャンスの今シーズンを送ってほしい。